LMSとは?学習管理システムの概要から導入まで徹底解説
リモートワークや在宅ワークが注目されるようになり、学習管理システムのニーズが増加しました。
インターネットを介して教材を作成、共有したり、講義を録画して学習者に配信したりできるため、教育機関や企業など、幅広い分野で使われています。
本記事ではLMS(学習管理システム)について徹底解説します。
LMS(学習管理システム)とは?
LMSは学習管理システムと呼ばれているもので、Learning Management Systemの略です。学習システムと言えば、eラーニング(e-Learning)という単語が思い浮かぶかもしれません。
「eラーニング」はパソコンやタブレット、スマートフォンなどを使い、インターネットを利用して学ぶ学習形態のことを指し、「LMS」はeラーニングの基幹となるシステムを指します。
プラットフォーム上で学習コンテンツを作成、配信することで、受講状況の追跡や評価などが可能で、企業の研修で採用が増加、高校や大学といった教育機関の学習に対しても利用可能です。
LMSの種類
LMSにはさまざまな種類があり、主に、以下の4種類に大別できます。
1.オンプレミス型LMS
2.クラウド型LMS
3.特化型LMS
4.統合型LMS
1.オンプレミス型LMS
オンプレミス型LMSは、企業や教育機関が自社のサーバー上にインストールして使用するLMSです。このタイプのLMSは、所有者がサーバーやネットワークを運用する必要があります。
外部ネットワークを排除し、自社のネットワークのみで運用が可能なためセキュリティに優れ、専門知識を有している人がいれば柔軟なカスタマイズが可能です。
しかし、導入からカスタマイズ、メンテナンスまで全てを自社内で行う必要があるため、専門知識を有している人を確保する必要があり、多くのコストがかかります。
2.クラウド型LMS
クラウド型LMSは、インターネット上にあるサーバー上で動作するLMSです。このタイプのLMSでは、サーバーやネットワークの運用を所有者が行う必要はなく、サービスを提供している企業に任せられます。
導入や運用、システムメンテナンスを提供側に任せられるため、本来の目的である研修、学習の管理運用に注力できます。システムカスタマイズはできないか、できても別なコストや開発期間が必要なため、求める機能が備わっているサービスなのかどうかを事前にしっかり把握しておく必要があります。
3.特化型LMS
特化型LMSは、さまざまな学習目的に沿った専用のLMSです。接客業に特化したシステム、不動産業に特化したシステムや、大学講義に特化したシステムなど、ある特定の分野に特化したシステムが構築されています。
機能が絞られているためコストが抑えられますが、用途が限定的になります。
4.統合型LMS
統合型LMSでは、集合研修などを含めたリアル開催の研修受講履歴をも全て集約できます。人事管理システムや評価システム、企業の基幹システムと相互に接続できるようなLMSも存在します。単一のシステムで多くの情報管理を行うことが可能な分、操作が複雑になり、コストが増加してしまうこともあります。
自社でどの機能を使うか事前にしっかりと把握し、最も適したサービスを選択することが大事です。
LMSの主な機能一覧
LMSにはさまざまな機能があります。
主だった機能は以下のとおりです。
1.学習コンテンツの配信管理
2.学習者の成績や学習進捗の管理
3.コミュニケーションツール
4.講義の記録
5.オンラインテストやアサインメントの実施
1.学習コンテンツの配信
学習者のニーズに合わせた教材や講義、テストなどの学習コンテンツを配信することができます。自社で作成した教材を使用することも、既製品の教材を使用することもできます。
スライド式の静的コンテンツや、撮影した動画コンテンツなど、ニーズに合わせた学習コンテンツを自由に配信可能です。
2.学習者の成績や学習進捗の管理
学習者の成績や学習進捗を追跡、履修登録から修了までの一連の流れを全てデータ化し、記録できます。データ化することにより学習者の進捗率や学習時間を可視化でき、適切なフォローアップが可能です。
成績は、テストやアサインメントのスコアで測定し、採点などに時間を割く必要もありません。
3.コミュニケーションツール
多くの場合で学習者や配信者同士がコミュニケーションを行うためのチャットツールが使用可能です。メール機能から、オンラインチャット、多数参加型のチャットルーム解説など、さまざまな方法でコミュニケーションがとれます。
学習者は学習を進める中で疑問に思ったことを直接質問でき、配信者は学習者の理解度を直接質問して確認できるため、より高い学習効率を得られるでしょう。
4.オンラインテストの配信やレポートの送信
オンラインテストやレポートを配信することができます。一斉テストや小テストなど、組み上げたカリキュラムに従いテストの配信を行い、自動的に集計、成績の公示まで行います。配信者はテストの添削などに時間を割く必要がありません。
学習者は、テストやレポートを受けたあと、決められた時間内に結果を確認することができ、自身の学習進捗を可視化された結果と共に確認できます。
LMSの登場によりできるようになったこと
LMSが普及してきたことにより、どのようなことができるようになったのか解説していきます。これまで対面でしか行えなかった教育、研修が、以下のとおり遠隔でも可能となりました。
1.オンライン教育の普及
2.リモートワーク支援
3.学習進捗の管理
1.オンライン教育の普及
IT技術が進歩し、インターネットを介して通信速度をあまり気にすることなく、学習コンテンツを配信できるため、オンライン教育が普及しました。
学習者は、自宅などの都合が良い場所で学習できるようになりました。学習の時間も、ライブ配信などでさえなければ、自由に選ぶことができるでしょう。
配信者は教材を用意して体制を整えさえすれば、いつでも学習システムを自動で提供することができ、機会損失を最大限まで抑えられます。
2.リモートワーク支援
学習者と配信者がインターネットを介してコミュニケーションを行うことができるため、リモートワークを支援することができます。
先に述べたとおり学習者は、好きな場所で、好きな時間に学習を続けることが可能です。それだけではなく、配信者が対応できる時間を決めていれば、どこからでも直接質問を投げかけられます。
3.学習進捗の管理
システムが学習者の成績や学習進捗をデータ化し、学習者、配信者共に追跡することができるため、お互いに学習進捗を管理することができます。
学習者は視覚的に進捗を追うことができるため、より達成感を味わうことができ、モチベーションの維持に繋がるでしょう。
配信者は学習者の進捗を追うことで、適切にフォローアップをしていくことができ、より学習者に寄り添った指導が可能です。
LMS導入のメリット
LMSを導入することで、学習者と配信者のどちらも多くのメリットを享受できます。
学習者側のメリット
学習者側が享受可能なメリットは以下のとおりです。
・パソコンとネット環境があればいつでもどこでも学習可能
・採点が自動化されるため、すぐに合否が分かる
・進捗が可視化される
・配信者と個別でコミュニケーションが取りやすい
配信者側のメリット
配信者側が享受可能なメリットは以下のとおりです。
・教材の管理、修正が容易になる
・テストの添削などに必要なコストをカットできる
・同じ講義を繰り返す必要がなくなり、品質を一定に保てる
・進捗の管理が容易になる
・個別でフォローアップしやすくなる
・フローの全てを一元管理できる
LMSの選び方で注意すべき点
LMSの導入を検討する際に注意すべき点もあります。
事前にしっかり把握し、自社に合ったサービスを選びましょう。
1.ニーズに合った機能
2.使いやすさ
3.カスタマイズ性
4.価格
5.サポート
1.ニーズに合った機能
さまざまな企業が学習管理システムを提供しています。
自社のニーズに合った機能が搭載されているか、事前に社内で必要となる項目を確認しておくことが大事です。
2.使いやすさ
UIなどの使いやすさは、学習者側の満足度だけではなく、配信者側のコスト削減にも繋がります。どのようなサービスを選択したとしても、サービスを展開する前に配信者側でUIの操作を網羅しておく必要があります。
サービス開始後に、学習者が操作内容について質問をしてきた場合、スムーズに対応できれば印象もよいうえ、対応コストの削減にも繋がるでしょう。
3.カスタマイズ性
提供する研修内容、学習内容によってそれぞれカリキュラムは違います。「進捗状況が可視化される」「オンライン講義を録画できる」「他サービスとの連携ができる」など、自社のニーズにあったカスタマイズが可能かどうかも重要です。
想定するゴールに沿ったカリキュラムを組むために、柔軟なカスタマイズが可能なことを確認しておきましょう。
4.価格
小規模の人数を相手にする場合であれば、学習者が一堂に会する対面型研修を開催したほうが費用を抑えられるかもしれません。
展開する規模、カリキュラムの長さなどを確認し、導入を検討する学習管理システムが予算に見合った価格かどうか確認をしておくことをお勧めします。
5.サポート
どのように優れたシステムであっても、システムトラブルをゼロにすることは難しいでしょう。万が一のため、システム管理側のサポート体制が整っているかを把握しておくことは大事です。
万が一を可能な限り起こさないためにも、事前に操作テストや、配信テストなどのリハーサルを忘れずに行っておく必要もあります。
LMS(学習管理システム)によくある疑問
LMSを知りたいとさまざまな資料を確認した際、よく疑問にあがる言葉や内容を以下のとおり提示します。
・LCMSとは?
・SCORMとは?
・他のサービスと連携できるの?
・最近話題のなりすまし対策はあるの?
・小規模でも利用したほうがいいの?
LCMSとは?
LCMSとは、学習管理システムに教材作成機能をプラスしたシステムの総称です。PowerPointや動画編集ソフトを利用して教材を作成し、アップロードする方法が多く採用されていますが、専用の教材作成機能をプラスしたシステムも登場しています。
コンテンツ作成ツールをオーサリングツールと呼び、LCMSは学習管理システムにオーサリングツールが合わさったものとも言えます。
SCORMとは?
SCORMとは、各LMSサービス間における、コンテンツの相互運用規格のことです。各LMSサービスで使用されているeラーニングに関する規定は複数存在し、互換性がないものが多いです。
A社が提供するLMSの学習コンテンツを、B社が提供するLMSでは使用できないなどの弊害があったため、学習コンテンツとLMSとの通信を統一化して、両者の総合運用性を高める事を目的としているのがSCORMです。
他のサービスと連携できるの?
LMSを提供している企業によって異なりますが、Zoomや決済システムなど、さまざまな外部サービスと連携しています。
事前にどのようなサービスと連携できるか確認しておきましょう。
最近話題のなりすまし対策はあるの?
顔認証システムと連携し、事前に登録した学習者であることを確認した上で使用を許可するなど、セキュリティも強化されています。
利用するLMSに顔認証システムサービスが搭載されているか、一度確認してみることをお勧めします。
小規模でも利用したほうがいいの?
「年間を通して数回しか研修を開くことがない」「セミナーの参加人数が基本少数」などの要件や、予算次第では利用しないほうがよいことがあります。
事前にしっかりと費用の比較をしておくことをお勧めします。
LMSならクラウド型LMSプラットフォーム「admintTV Learning」
ウェビナー配信システムプラットフォーム「admintTV Learning」は、オンライン研修やオンライン学習に必要となる機能をワントップで提供する、動画を中心とした学習を実施するためのクラウド型LMSプラットフォームサービスです。
学習者の履修状況管理から、学習内容に基づくテストの実施、履修(受講)証明書の発行、さらに決済までを一元管理できます。
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まとめ
LMS(学習管理システム)を利用し、タイムパフォーマンスに優れた学習、研修を提供できるようになりました。LMSを導入することで学習者、配信者共に多くのメリットを享受できます。
多くの学習者はひとつのLMSだけを利用する時代ではなくなりました。複数システムを利用して学習を行う人が増えましたが、各LMSで学習した履歴はそれぞれのシステムにて管理されます。
これら複数システムの学習記録を一元管理し、データベース化したものをLR((Learning Record Store)または教育ビッグデータと呼びます。
教育ビッグデータを分析・活用し、今後の学習管理システムに活かすことが注目されています。
日々進歩し続ける学習管理システムを利用できれば、さまざまな恩恵を得られるかもしれません。
admintTV各種サービスのよくある質問
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